Reikaの徒然草(改)

つれづれなるままに…ヅカ感想メインのブログ。ヅカ以外のことも語るよ。

歌うバズーカ(笑)との別れー望海風斗 退団ー

初めて認識したのは2013年のオーシャンズ11だったかなあ。
当時ヅカファンピヨピヨだった私は、よく読んでいたヅカオタさんのブログで、望海風斗っていうバリ歌うまの男役がいるよ~という情報はぽやんと頭にはあったのです。
とはいえ、花組生初観劇時のCONGAの時は認識も、目を引くことも特になかったので、そんなことはすっかり忘れて観劇に臨んだのです。

いや、いましたよ。小さい体で楽しそ~に歌と芝居の巨大バズーカでバッコンバッコン、パワーバランスを崩す望海風斗が(笑)
前もどっかで書いたけど、ほんとにあの公演はみっちゃんがいなかったらもっとパワーバランス崩れてえらいことになっていただろうな。ま、みっちゃんはその辺、だいもんの上をいくパワーバランスブレイカー北翔海莉なので(笑)、私が観に行った回なんぞだいもんをツボにはめて喜んでましたが(笑)。とにかく、その日の私の感想はだいもんとみっちゃんで一杯になってしまうくらいには強烈な印象を残したのです。(あとは客席降りで蘭とむさんに微笑まれたことくらい)

私、基本パワーバランスブレイカーって苦手というか、はっきり言って嫌いなんですが(笑)、その時のだいもんのそれはあまり気にならなかったのです。たぶん上手さが気持ちいいくらい突き抜けていたからなんでしょうね。あとはだいもんがバランスブレイクというより、周りの方が追い付いていなかった、というのはあると思う。芝居巧者のおおい当時の月・雪・宙あたりでやったら、あそこまでバランスブレイクではなかったんじゃないかと。
愛革の景子先生のロミジュリ劣化版パクリに眩暈がしながらもだいもんの侯爵のラストソングにやっぱりバランスブレイク(笑)って思いながらもだーだー泣いて、生で観てないけどBASARAもアンドレも、一人色味の違うものを見せてきて、いつしか、もっと別な組の方がだいもんはもっと生き生き活躍できるんじゃないかなあ、なんて、薄っすら思い始めた頃に雪組に組替えの話があって。ちょうど、エリザベートと100周年大運動会で、距離を置きたい組になってしまった花組から、わが心の故郷(笑)な、雪組への組替えに諸手を挙げて喜びました。雪組に来て、生き生きとバズーカをぶっかましても(笑)必死にバランスを保っていく雪組生が頼もしく、そして前よりも伸び伸びとバズーカを放つだいもんが愛おしく…。
個人的にドン・ジュアンのだいみちコンビが愛らしくて、こんなカップルを見ていたい!と思ったのも懐かしく(笑)だいきほに決まって、ちょっと悲しかったけれど、そんな気持ちを吹っ飛ばすくらい、いいものを沢山見せてもらいました。

若いころ「結構上手いね~!」「きれいだね~!」でもてはやされて、いざ真ん中に立つようになって、その舞台にぬるさが出てくるようになったり、自慢になる得意分野のメッキがはがれてきたりで、なんだか微妙だな~…って思うようになったスターさんも正直何人かいる。そのために、好きだったのに、苦手になってしまったスターさんも正直いる。
でも、だいもんは、そして後で語るけどまあやちゃんはトップになってからそのぬるさを感じたことは一切なかった。そして得意分野が凄まじい勢いで進化していった。
だいもんに関しては花組時代から芝居上手かったけど、雪組に来てからの方がどんどん緻密さがまして、好きになった。
特大バズーカを自由自在に操れるようになった気がする。この間の壬生義士伝は、だいもんの芝居でこんなに泣くことがあるのか、っていうくらい号泣した、失礼ながら。上手かったけど、人の涙腺を揺り動かすような上手さとはまた違うと思ってたから。

こんなにさんざんバズーカバズーカ言ってるけど、実は私がだいもんで好きなところはピアニッシモを操れるところ、AメロBメロを歌わせることができるところ(笑)。
世に歌うま数あれど、フォルティシモを効かすことができる歌うまは数あれど、サビを聴かせることができる歌うまは数あれど、ピアニッシモを操れる歌うまは、AメロBメロを聴かせることができる歌うまは多くはない。こんなにもテクニックと声の良さが好みの通りな歌うまスターもそんなにいない。必ずしもエリートコースまっしぐら、ばかりではないキャリアを見てきた今から見れば、これほどのチケ難スターになるなんて、というのも正直な気持ち。

結構にイタい拗らせたヅカファンというキャラクターも、その端正な美貌とのギャップで愉快だった。ヅカオタ上がりのジェンヌは数あれど、こうまで拗らせた人はなかなかいなかったと思うwトップになってからライビュを観に行くと、本編に熱中し、号泣していても挨拶の酷さでw全部すっ飛ぶくらいには愉快なキャラクターだった。
それでも「情けない」「みっともない」にならないのはだいもんの知性なんだろうな、とも思う。

最後にもう1個。優等生型のスターさんで、こんなに萌えを提供してくれる人もなかなかいなかったです(笑)。優等生は大体魂が健康なのか何なのか、萌えとかエロスからは遠い人が多いイメージなので(笑)。だいもんの持つちょっと黒い被虐性が何とも言えない萌えの要素でした。

素晴らしい高みを目指すプロ根性と、ある意味誰よりもファン心理に寄り添えるオタクぶりが、良いバランスを保って作り上げられた男役スターでした。

私の愛したピアニッシモの使い手、最後はベートーヴェンとしてフォルティッシシモな(笑)特大バズーカの歓喜の歌を大劇場に響かせてください。