Reikaの徒然草(改)

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スーパースター爆誕伝説、それが風間柚乃−出島小宇宙戦争 感想−

先日のスカイステージ放送で拝見いたしました。
当初コロナウィルスで急遽千秋楽となってしまった日の翌日観劇予定だったので、チケットが直前にドロンと消えてしまったような感じです😭 前日の美弥ちゃんライヴも消えてしまって、悲しいやらなんやら…。
観劇前には某銀魂さんに似ているとかなんとかで、某月夜歌聲のようなことが起こったらどうしようとか不安に思ったり…(笑)今度の壮麗帝も某夢の雫に似てるなーと思ったけど、スレイマンが主役だし、稽古場見た感じだと物語の展開が全然違ったので、まぁ多分大丈夫でしょう。銀魂に関しては見たことがないので、ビジュアルが多少似ているなぁと思った以外は被り要素がよくわからなかったけど。(しかも若谷先生銀魂知らなかったとかなんとか…(笑))(あ、ちなみに谷貴也先生のことをこちらでは「若谷先生」と呼ばせていただきます(笑))

いやぁ、この先生の作る話、このご時世に観るのはこわいですね、色んな意味で(笑)。後日やっとこ義経も観たんですけどやっぱりこわい(笑)。
観客に毒を染み込ませたり、残酷な現実をえぐり出すオギーとか、人の愚かさを断罪するくーみんの作品が作り出すこわさとは別の領域なんだけど。
若谷先生が描き出すのは群集心理の愚かしさと恐ろしさ。描こうとしているものはキムシンと同じものだと思うんだけど、キムシンが厨ニ的正義感を振りかざし、無神経さも何も気にせず、大きな声で糾弾するように描くのに対し、若谷先生はただひたすら事実を淡々と描き出す。その群集心理を良しとも悪しともしない。
逆にキムシンは糾弾する分弱者にも寄り添っている(風だと個人的には思っているんだけどね。ほんとには寄り添えてないんじゃないかと思うんだけど)描き方をしているんだけど若谷先生はとにかく突き放している。突き放し、淡々と描くことで断罪しているのかもしれない。

あとその描く群集心理が割と日本人的なのも若谷先生の特徴かな。キムシンはいわゆる普遍的・世界共通な群集心理の愚かさを描いているんだけど(だから上っ面、厨ニ的なんだよなーって思うことが多い)、若谷先生は日本人的、特に最近の日本人的なんだよね。義経の、英雄と祭り上げ、周囲が勝手に対決を作り、煽り、片方を破滅に追い込んでいく様(これは割と世界共通かな?)、出島におけるとにかく流行を掴むことに必死になる、楽な方に楽な方に流されること、考えることを放棄すること、ダサいものに対して排他的になること、今の日本、特にメディアをぐさりとえぐり出している印象。
オギー、くーみんのような絵柄の繊細さはないけれど、くっきりした原色で大胆なタッチでR-18なネタを容赦なく描いていくような(笑)

あとは超絶無敵臭いやばすぎる敵が出てくるけど実はその目的がかなりみみっちかったりするのも共通かな(笑)っていうか、その敵が大体厨ニ臭い(笑)そしてそんなキワモノを研7満たずでこなす風間柚乃が恐ろしいよぉ(笑)

自分の書きたいことに力が入りまくって、宝塚に欠かせないラブがちょくちょくおざなりになってたり、要所要所穴とかツッコミどころはあるんだけれども(笑)、書こうとしていること、書き方がツボなので、この先生好きですね〜。今度「アインシュタイン」も観よう。
ラブといえば、本作品に関してはカゲヤスとカグヤのラブより、タダタカとカグヤの時空・惑星を超えたラブがツボで切なくて涙(きっとカグヤと恋に落ちたときのタダタカは若い姿だったと思うんだけど、あえて老いた姿のままで再現されるのが良かった)。その恋の記憶があったからカグヤは人間を信じたかったんだね、って感じる。

キャスティングに関して。主役のちなつはさすがの安定感。カゲヤスは主役でありつつこの物語における俯瞰者なので、この安定感がちょうどいいバランスメーカーに。
若谷先生の作品にありがちwヒロイン含む主要キャラに色んな意味で愛されまくる総受け状態wも納得の存在感。
物語における主役であるヒロイン・カグヤ海ちゃんもこれまた堂々の主役ぶり。2幕におけるタダタカとの恋の物語は、彼女の気持ちに引き込まれる。また、カグヤの名前を冠されるに相応しいだけの美しさを海ちゃんが備えているので、目にも優しい(笑)。「異伝・時代劇」みたいなテイストの作品なので、なかなかにキッチュ・大胆な衣装が多いんだけれども、それらを見事に着こなし、スタイルの良さも見せつけてくれます。
あ〜はやく今の月のトップ娘と交代しないかなー(笑)

カゲヤスに対する捻じ曲がった愛憎を展開する(笑)リンゾウありちゃんどうもこういうありちゃん最近既視感があるなぁ〜。なんだろうね、別に似たような役ばかりやってたわけじゃないと思うんだけど。後々観た「義経」の方の同系統の役のひとこがどえらい巧かったので、それと比べると、う、うーんという感じかなぁ…。ちょっといまいち新公卒業後の壁が打破できていないような…。
役柄的に美味しいところなのに、おだちんに大分かっさらわれた感があるのは実にもったいない。
そのかっさらってった感のある(笑)、キワモノ・シーボルトを演じた、当ブログタイトル(笑)、おだちん。まぁ目立ちますよ、あのヴィジュアル、あのキャラクタ(笑)でも、地の力、芝居力がなければ、出オチで終わる恐ろしい役どころでもある。ちなつのカゲヤスがいい意味で俯瞰者たりえたのは、海ちゃんが主役としてドーンとしていたことと、おだちんがいいように大暴れして(笑)場を引っ掻き回してたのが大きいよなぁ。歌える、ってことが強いなぁっていうのもあるけど、とにかく芝居をしているときに醸し出す華がすごいよなぁ。入団当初から、家族関係もあって注目の的だったけど、舞台でしっかり認識したのは「All for One」、コイツまじヤベェ、ってなったのは(笑)やっぱルドルフとルキーニかなぁ。そっからドンドンドンドンすごいことになっていっちゃって、この出島でいよいよスーパースター爆誕、といった感じ(笑)。私が10年近く宝塚を生で観るようになって、一番すごい若手かもしれない。こうなったら一度、顔がいい以外のなんの取り柄があるんだ、みたいな、しどころない、超絶二枚目、みたいな役をやるのを逆に見てみたい(笑)で、どのタイミングで恋に落ちたの!?みたいなベッタベタの胸焼けしそ〜な甘〜いラブストーリーを観てみたい。いっそどう演じるのか、拝見したいわ(笑)

(余談)ちなみに同時期に「龍の宮物語」も拝見いたしまして、どちらも好みの物語でしたが、本編は「出島」、フィナーレは「龍の宮」に個人的には軍配を上げたいところ。個人的好みに過ぎない話なんだけれどね。