Reikaの徒然草(改)

つれづれなるままに…ヅカ感想メインのブログ。ヅカ以外のことも語るよ。

私は少女漫画が読めなくなったのか?−王妃マルゴ 読書感想文−

久しぶりに、というかブログでは初なのかな?
読書感想文なるものを書いてみようかと。
とはいえ、読書といっても漫画なのですが(笑)
(一部ネタバレになりますので、未読の方で色々知りたくない方はブラウザバックください。)
 
 
ヅカオタにはポーの一族でもおなじみ、萩尾望都作の、「王妃マルゴ」。
私の界隈で読んでる人がいるかはわからないのですが、もともと世界史オタク、なべてもルネサンス期のドロドロした話が大好物な私はw、マルゴを主役に、萩尾望都が漫画を描く!っていうそのワードに惹かれてwやすやすと飛びつきました。ヅカではSANCTUARYと同じ世界ですな。
読み始めは、思っていたよりは時代特有のドス黒さは薄められていて肩透かし感はあったんですが、絵は綺麗だし、時代背景、宗教関係の考証も確かで、個人的に分かりづらかったコンデ家や、ロレーヌ公との関わりについてもわかりやすくなっていて、なによりドラマ性が強くて機嫌よく読んでました。
で、ここのところこれを含めて全然新作の漫画を買っていなくて、この間久しぶりに本屋の漫画コーナーを覗いたら完結してたんですね(笑)
 
 
自分のストックが6巻で止まったままなんで、慌てて7巻と合わせで買いまして(ホントは風と木の詩を1巻買いたかったのよ〜(笑))、読んでみました。
や〜面白かったけれど、もう私少女漫画読めないかもなー、と思っちゃいました(笑)。
 
この漫画自体久々に読んだので前までの展開を照らし合わせつつ読んでたんですが、その、
 
ギーズの存在ってそんなにマルゴにとって大きかったっすかね?
 
や、初恋の男性だし、変な話、結婚したい、処女を捧げたい、とマルゴが思った相手に違いないし(それができなくなったがゆえにアンリ3世を盛大に恨むわけだし)、実際結婚前に子供を産んでしまうわけだし。結婚後は関係を持つことはなかったけど、想いを諦めてなかったり、逆に恨みに思ったり、中年期に入ったら反乱の仲間になって迎えに来てもらうのを待っていたり…。
だけど、息子のサパンが生きていることがわかったことと、ギーズが殺されてしまったこととで、マルゴの中でのギーズは終わっちゃったんじゃないかなぁ、って気が正直する。
 
というのも8巻のマルゴは大部分、サパンがどうしているか、ってことの方を気にしているんだよね。特に後半になってくるとマルゴはずっと幽閉されっぱなしで歳をとっていくので、その間にフランスで起きていくことを畳み掛けていくので、ギーズのことなんて欠片も出てこなくなってしまうわけ。
マルゴは自分が如何に自由を手に入れるか、ってことと、再度行方知れずになってしまったサパンへの愛情にギーズへの想いを昇華させてしまっているんだよね。だから、ギーズに対する直接的な想いはもう必要ないの。
 
昇華させてることは別に構わないの。アンリ3世によってギーズが殺されてしまったときは盛大に憤っただろうし、絶望もしただろうし、アンリ3世のことを呪っただろうけど、それは自分が開放されるっていう希望が閉ざされたことに対する絶望でもあるから、純粋にギーズの死に対する絶望だけではないんだよな。
で、おまけにギーズの死からまた更に月日は経つし、愛する息子は自分のもとから去って、しかも処刑されてしまったかもしれないし、その後も色々国が荒れていくわ、自分の身分が今後どうなるかっていう心配があるから、ギーズの死に対する怒り・悲しみ、果てはギーズの存在そのものが過去の記憶になっていくのは、人間である以上仕方がないことだと思うんだよね。
 
ただ問題はいっちゃん最後に、私の心はギーズで占められていた、ギーズの存在が支えだった、って言われると、えぇ!それは違わん…?って気がしちゃう。だって身の回りが平和になってそれでなんとなくギーズのことを思い出しているならともかく、最後の最後でとーとつに思い出されてもねぇ…。なんとなくサパンと最後再会できて、収まるところに収まったね、って思ったのが、結局今までのは何だったの?って聞きたくなる唐突感でなんだかモヤモヤ…って思ったとき、そっか、これは少女漫画、愛が大事、恋が大事、なんつっても清らかで美しき初恋が大事、ってそういう世界だったわ…ってことを思い出しましたよ…。全部が全部じゃないけど、愛の力、恋の力がすべてを超越するっていい出しかねないくらいにはぶっ飛び世界でしたわ、少女漫画って。主要人物込みで人物の心理描写雑でも美しい恋があってときめきがあればOK!みたいなそーゆー世界だったよ−…。
リアル少女漫画世代であれば私も勢いで読めたかもしれないけどね(でもどうだろ?ちゃお読まなかったし、なかよしも一部除いてあまり好きじゃないけど。)。でも、もう勢いだけで少女漫画読める歳じゃないやww。
 
っと最後の最後に強い引っかかりどころはあったけど、絵は綺麗だし、時代考証やらなんやらは流石に細かいので、それなりに楽しく読んじゃいました。