Reikaの徒然草(改)

つれづれなるままに…ヅカ感想メインのブログ。ヅカ以外のことも語るよ。

にしても真ん中が美しいっていい(笑)ー凱旋門新公感想 2-

いやぁ前回の新公の感想、最終的に書き上げるのに1か月もかかっているってアホですね、私(笑)。このブログの良いところって好きな日付で投稿できるんですよ。だから過去の日付にしたまま投稿できるんですけど、私大体書き始めたときの日付にしておくんですね。だから、公開するころになると大体前置き部分の話がすさまじく時代遅れです(笑)だから「こいつ寝ぼけたこと言ってんなー」って思ったら大体そのブログの日付頃にホットだった話題を言ってんだなーって生ぬるいお気持ちで見ていただけると幸いです(笑)
 
ってな前置きを置きつつ凱旋門新公感想②になります。
いやぁ2つに分かれると思ってなかったよ。まあ前回のは新公より本公演の愚痴だったもんな、はっきり言って。でもそれ語っとかないと、新公観た時の感動が分かってもらえないんですって(笑)。
本公演も良いは良かったですよ。言い訳じみて聞こえるけど(笑)。真ん中が美しく、役者の熱量は高く、美しく印象的なシーンがいくつかあり、俺のみちるは可愛い(笑)。でもだからこそ、初演の空気を生で感じてみたかったです。今回の上演のためにいびつに歪められてしまった、壊されてしまった部分(曲の差し替え含め)を感じたかったです。
 
で、そうそう、感想感想(笑)いきますよー。
 
ラヴィック:縣 千
101期生卒業式、はたまた初舞台生ロケットで打ち震えた人も多かろうあの美貌(笑)。
(おそらくは)鳴り物入り入団で研2ではやくもれーこや咲奈の役が付き、役が少ない、と名高い(笑)正塚芝居であるケイレブでは本公演でも役が付き、順調に育てられた期待のホープの念願の初主演。雪としては咲奈・ひとこに続く研4での主演(咲奈は研3か?)ということで、劇団のかける期待の高さもうかがい知れるところ。
まず出てきただけで
美しい。
本役の悠様が彫刻もかくやの美しさゆえプレッシャーなところですが、引けを取りません。こーゆー素化粧でも美人なタイプは、若手のころはどうしても女々しくなりやすいところですが、そうならず、女装なんぞしようものならしっかりオカマになりそうなあたり心強い限り(笑)。素化粧も美人なのに女装が似合わなそうなあたり、れーこを彷彿とさせますなw
その後の歌い出しの心もとなげな歌声に、別なツボを直撃されるのですがwまあそのあたりはご愛嬌でしょう。絶望感までは感じませんでした。
あと、この話って主役カップルがとてつもなくエゴイストで身勝手だと思うんですけど、千ちゃんの若さゆえの不安定さが、周りを慮る余裕のなさ、みたいなのに通じて、ラヴィックの身勝手さに結びついて納得させる力があるように感じました(なんせ実際の物語以上に今回のラヴィックは人格破壊甚だしいんだもん。もともと身勝手な人が、人でなしにグレードアップしているからねww)
ラヴィックがジョアンにのめりこむのも、若さゆえの直情さでスムーズに見られるし、(別に中年男が恋にのめりこむのを否定する気はないんだけれども、悠様の今回のラヴィックは少なくともジョアンにのめりこんでいるようには見えなかったからなぁ…w)ラブシーンなんか、観ていてこっぱずかしくなるようなシーンが割とあるけれども、意外と若い子にやらせた方が観られるのかもしれないこれ、とか思っちゃったりしたよ…。今回の悠様のラブシーン微妙だったからなぁ…。
美は力だ、と強く思わされた新公でした。
 
ジョアン:潤 花
あれ…ごめん、きれい、じゃない…
なんか、この感想ひかりふる路の新公をタカラヅカニュースで初めて見たときにも思った気がするな(笑)で、インタビューのときに「あれ、可愛い子じゃん…?この子…」っておもうんだよな(笑)今回に関しては髪型がひかりふる〜より更に難しいタイプの髪型なので完全に自爆してしまった印象です。本役のまあやちゃんが想定外にジョアンという役にハマり、しかも魅力的にしてしまったので、正直かなりきつい印象でした。
いや、見た目だけでなく歌と芝居も。
ただそれでも物語がすすむにつれなんかこれでもありかもしれない、と思ってしまいました。いや、歌と見た目はもう少し良くなってほしいんだけど…。
これもある種若さでのゴリ押しなのかもしれないけど(笑)
とにかくこのジョアンは若くて、その若さゆえに傲慢。
自分がちょっと小首をかしげて甘えれば男はみんな言うことを聞くのが分かっている。自分の望んだことが叶わないことがある、なんてついぞ思ったこともない感じ。
だから、ラヴィックに自分の変心をなじられて初めて、自分の若さや魅力だけじゃどうにもならないことがあるのを知るんだよね。この時の潤花ちゃんの意味が分からない、っていう顔が地味にツボw
本役のまあやちゃんがいかにも頼りなくって、だれかに依存していないとやってられなくて、っていう女性なのに対して、潤花ちゃんのはただただわがままで傲慢。いかにもヒステリーで「あんたたち、私のいうこと聞きなさいよ、キーっ」みたいなタイプではないけど、「周りは私のいうこと聞いて当たり前、っていうか私がお願いする前に私の望み通りになっているのが当たり前でしょ」みたいなタイプではあると思う、このジョアン。どちらにしてもめんどくせータイプには変わりねぇww
でもこのカップル、恋には嘘がないよね(愛ではないのがミソ)。
肉を伴っている、というか、愛のように相手を思う余裕がこの2人は若いからないのでw、あくまで恋欲・愛欲な恋なんでだけど、その分どストレートに伝わってくる。
いや、これは若さで素直に演じてるだけで、技術は全然関係ないんだけどwで、いざ技術勝負になってくる年次になったら全然ダメ、ってこともあるかもしれないんだけどw
でも、この新公だけで見るなら主役の若さごり押しのこれでもありだと思います。というか、若さごり押ししてくれないと脚本のところどころのゆがみが辛い…

ボリス:綾 凰華
あれ、綾君の下の字ってこれで合ってた?ww(←お前ファンだろ)
今回、ある意味一番プレッシャーが強かったと思います。主役の千ちゃんはともかくとしても、本役は爆裂歌うまだし、長の期挨拶あるし、千ちゃん新公主演初だし…ということで。でも、雪組に来てからどんどん歌も上手くなるし、なんてったって芝居がどんどんうまくなるよなーと感じてます(ひかりふる路新公、最高でした)。
組替してから「私のきんぐが歌が上手くなってww帰ってきたわー」って感じで(だからあんた両方のファンでしょうが)愛でてるんですが、今回もいい仕事をしてくれてます。
というかまず並びがいいよね、千ちゃんとの。(いや、腐った意味だけじゃなくてさww)
カップルの恋にもリアルがあったけれど、こっちの友情にも嘘がなかった。というか、ここのやり取りに嘘がなかったからこそ、新公が良かったんだなあという感じがする。いや、別に悠様とだいもんも良かったんだけど、この2人の方が親友として流れる空気が自然だった。この2人だったらドラマな部分だけじゃなくていちゃついてるところ日常の何気ないやり取りとか見てみたいもん。2次創作とかしてみたいよねっ(いやだから腐った意味じゃなくて…)ロシア式のあいさつは云々のところは妙にエロかったぞ(こら)

その他つらつらと…
・今回のMVPはひまりちゃん!本公演中どうしても意味の見いだせなかったアメリカのマダム・ケイトの物語が生きていて、短いながらも印象的なシーンでした。ラヴィックとも過去にいろいろあったんだろうな…という感じで、想像力を掻き立てられてよかったです。
・眞ノ宮君は美貌と実力を持ち合わせてるイメージが強かったので、今回の役を持て余しているイメージは意外でした。アンリってやっぱり微妙な役だから難しいのかな…?本来、2番手がやるような配役じゃなかったしね、初演が(それとも初演の配役がおかしかったのか)。
・すわっちもとてもよかったです!本役のにわさん好きだし、にわさんは仕事のできるオヤジもエロオヤジもどちらもできる人だし、仕事のできるオヤジとエロオヤジが両立する生き物というのも理解できるんだけれど、本公演はどうもにわさんのシュナイダーがラヴィックのハニトラにあっけなく引っかかって、あっさり殺されちゃうようには見えないんだよなー。なんでだろ?すわっちのシュナイダーは仕事のできるオヤジとエロオヤジがちゃんと両立してて、ハニトラに引っかかって殺されても、何も違和感を感じませんでした。
すわっち良い役者だよなー。雪の99期今いる3人はみんな好きだわ。
・ローゼンフェルトのたわしくん、かわいかったし、上手かった!新公のオテル・アンテルナショナールが安定感にちと欠いたので(笑)、一人安定感あってとてもよかったです。
・ハイメのあみちゃん。か、可愛い…。こんな子、絶対に幸せになってもらわなきゃだめだよぉ。ユリアのきららうみちゃんの姉さん女房感とちょうどいい組み合わせ。
可愛いスターなのに手堅いのは雪組っこだなぁ(笑)
・ルートは年の離れた若妻の役なんだね!のぞみちゃん見て初めて理解したよ(笑)
いや、本役はさ、旦那のまなはるがおじさんなのに可愛いのも問題だけど、普通にルートが旦那と相応に見えたからさー…。多少奥さんの方が年下かな?っていうくらいで、よくいる金のある中年~初老夫婦に見えたんだもんよ…。いや別に中年の奥さんが(人としての倫理は別にして)若い男と恋に落ちたりしてはいけない、とは言わないし、恋に浮かれてキャッキャウフフ、キャピリン、としたらいけない、とも言わないけどさー、あまりに人目をはばかる雰囲気はないわ、周りも不倫カップルの方に寛容だわ(不倫であれ、人の恋路には寛容なのがパリっ子か?)、これじゃああまりに死んだ旦那が報われないよ!って思っちゃったんだよね、本公演。
また、ヴィーゼンホフの千ちゃんが美しくってキラキラしているもんだからさぁ、もっといい女の人がいるよ!わざわざそんな人と一緒に収容所へ行って命を削らなくてもいいじゃない!とか、不謹慎にも思ったりしたんですよねー。いや、別に中年の奥さんにガチ惚れする若者がいない、とは言わないさ。そんな物語、ロマン感じるし。
だけど、のぞみちゃんのルートが若く美しいのを見て、あぁ、こんなに若くて魅力的な妻なら、年の離れた夫より、年の近い男との方が生きる歓びを見出すよなあ、たとえ夫のことは家族として愛していたとしても、ってスムーズに思っちゃったりしましたよwヴィーゼンホフにとっても、自分に年の近い女性だから、普通に男女が恋に落ちるように、この2人も恋に落ちちゃったんだよなあ、ただ結果が不倫だっただけで、と思ったし。周りもゴールドベルク氏が良い人でも、やっぱり年の差夫婦は若妻にとって気の毒だよなぁ、って思って不倫を見て見ぬ振りしたのかもしれないし。とりあえずあの辺の人間関係がするする~って腑に落ちました、のぞみちゃんの美貌一つで(笑)
あ、のぞみちゃんはいつも通りに綺麗でいつもど~おりな感じでした(笑)察して。
・「俺のみちる」は今回リュシェンヌ役。いや、も~ふつーに可愛い😍 。でもこんな役役不足だなぁ…。まぁ、本公演がそこそこ重い役だから仕方ないか。
・ゆめ君のマダム、よかったです。パリのアンニュイなマダム、って感じがして。関係ないけど、ゆめ君って勝手に97~99期くらいなイメージをいつも持っちゃうんだよね。100なのか~。

おおむねこんなところでしょうか。想定外に楽しく観てしまって、とても良い新人公演でした。
そして、豪華仕様なワンスの新公を見てみたい、と持っている自分がいる(すわっち以外みんな新公主演/ヒロイン経験者とか、強すぎやしないか)

役者の年齢が近いことに初めて感謝しましたー凱旋門 新人公演感想ー

や~、世のヅカファンはみりおの退団とだいもんコンの話題で持ち切りだというのに、今日も元気に世の流れと逆行した感想を書き散らかしていきます(笑)
(だいもん×よしおちゃんとか、だいもん×ラミンとか、チケット取れる気がしないよね。あと、私は普通にまあやちゃんが出ている回で観たい、と思ったら東京楽なのね…。)
(できれば一般ミュオタは遠慮しt)
(黒い私をお許しください)
(あと、サイトーなのね、そうなのね…。)
フィギュアのことも書き散らかすブログ、って言っているのに、ファン歴史上多分一番って言っていいくらいGPシリーズ観てないし、何も触れてない(-_-;)
別にヅカの方も忙しいわけじゃなくて、前半戦に力を使いすぎて後半戦温存気味に生きているのに、なぜか忙しい。こうなると来年どうなるんだろうね。
(あ、私11/25を持ちまして5年ぶりくらいに宝塚全組観劇復活します。多分分かる人には理由が分かる(笑)チケット取れればの話だけどねww)

そんなこんなですが、ゆるーく凱旋門の新人公演の感想を書きたいと思います。
え、なんで凱旋門の新人公演をいまさら?この間やっていたから見たのよ(ゆるーい笑い)

これほどに役者同士の年齢が近いことに感謝をしたことはなかなかありませんでした。

これから先書くことはあくまでも主観です。また、私は悠様ファンで、だいもんが好きで、まあやちゃんが好きで、雪組ファンでもあります。
そんな私から見て、1年以上たった今でも「凱旋門」の再演には少々疑問を感じています。
1年前生で観ていて、確かにところどころ美しいシーンがあり、訴えかけるテーマも素晴らしいけれど、「これが初演当時文化庁芸術祭賞なるものを取った作品なの?」というのが正直な感想でした。
その後、初演当時あの作品を観ていて、すごくあの作品が好きだった人のブログを読んだり、スカステでの放送を流し見して、どうやら初演と今回は違うようだぞ、と(ちなみにサブ再演ともいえる博多座バージョンとも微妙に違うらしい)分かり、初演版を生で観てみたかった、とちょっとモヤモヤが溜まり、その改変の要因がどうも悠様のご降臨にありそうだぞ、というのが分かってきてまたモヤモヤが溜まり、「夢現無双」を観た時のように、怒り狂いはしなかったけれどもwなーんかスッキリしないなーと思うところがあったわけでございます。

で、今回の新公主演の縣千ちゃんは、目下新公圏内の学年の子たちの中では大注目株でございますので、いそいそとスカステの放送を見たわけです。ボリスのあや君も好きですしね。

確かに新公ならではの拙さは要所要所には見られました。千ちゃんの歌に関しては何度か手に汗握るところがあったし、潤花ちゃんの歌に関してはひっくり返りそうな個所もかなりあったけれどもw

それでも途中からこのドラマに見入ってしまっていました。

もちろん、「なんでそんなセリフなんだ」って思うところは多いし、「どうしてそんな展開?」って思うところも多いし、ジョアンは嫌いだし、ラヴィックはもっと嫌いだ(え)、という状態なんですけれども

それでも物語に息づくリアルなドラマにいつの間にか引き込まれてしまっていました。
新公ならではの盛り上がりもあったでしょうし、演出がくーみんで、本公演と微妙にドラマの流れ方が違う、というのももちろんあったでしょうけれど、それでも、特に主要3人なんかは本公演キャストの方が役者としてのスキルは数段上なわけで(当然だ、本公演キャストが歌唱力とかダンススキルとか一部分だけならまだしも、役者としてのスキルでぺーぺーの学年の子に負けてたまるか)、それにもかかわらず本公演よりも物語が「動いてる」と感じたのはなぜか。

演者同士の年齢が近いからだ。

それに気づいたとたん、思わずスッと引いてしまいました。
そりゃ役者なんだから相手役といくつ年が離れていようが、その差を芝居で埋めるのが役者だろう、っていうのが私のポリシーではあります(この場合の相手役は男女に限らず友人とかでもね)。すみ花ちゃんがいい例で、10年以上の学年差をあの演技力で埋めていたわけです。
で、今回の本公演だって、だいもんとまあやちゃんはその差を埋めるべく奮闘していたし、悠様だってカンパニーとのバランスを崩さぬよう、数少ない初演を経験した生き証人としてもなんとか居方に苦心している様は感じました。
でもどうしても埋まらないんです。その差が。

悠様の老いによって。

ジェンヌはフェアリー、年齢はない、といったって加齢は普通に表に出てきます。
そして悠様がいくらあのアンドロイド的なw美貌をキープしていたとしても、声のハリや長期間の公演を主役としてこなしきる体力などに間違いなくその加齢は出てきます。
例えば一番直近のトップスターがいる公演への降臨である「長崎しぐれ坂」や、大劇場への降臨である「The lost glory」などは専科に行ってからの作品なので、リアルタイムの悠様の音域・体力諸々に合わせて作られているので(「長崎しぐれ坂」は専科でも若い頃だけどね)、悠様の老いというものがそれほど感じられることなく公演を観ることができた。

だけど今回に関しては、若く、脂が乗っていた頃の自分が比較対象としてついて回るわけで。
おまけに横には、もろ若い頃の自分のように乗りに乗っている年次の現役トップコンビがフルエンジンで臨んでいるわけで(だいきほに手を抜けと言っているわけではない。むしろそれはプロとして失礼に当たることだと思う)。
だから観ている側としては物語に入り込もうとしても、どうしてもそっちの現実の方が先に気になってきてしまう。そういった部分も振り切って、じゃあ物語に没入しようか、と思うと、今回の降臨に合わせて変更された物語のいびつな部分とかが気になってしまって結局物語に入り込めない。

多少物語が微妙な部分があったっていいんです。宝塚に限らず、ミュージカルで文学賞そこのけな作品なんて早々作れませんから。でもそんな中でもキャラとかシチュエーションとか音楽とか、何でもいいんですけれど萌えることができたら(腐った意味だけじゃなくてww)、それで充分だと思うんですけれど、今回の凱旋門に関しては初演時に良かった、と思われる部分が大部分(流し見しかしていないので憶測でしかものを語れないのが悔しい。今度ちゃんと見よう。)降臨のために削られ、歪められ、しているのでそこが引っかかってどうしても楽しむことができなかった。

それに対し新公に関しては、技術的にはつたないけれども、全体クオリティとしては目をそむけたくなるほどではないのはさすが雪組、という感じだし、物語はいびつになってしまっているけれども、いびつなりにするすると流れていく。
悠様の役をやる千ちゃんは素直に新公の主演で、まあやちゃんの役をやる潤花ちゃんはヒロイン、だいもんの役をやる綾くんは2番手、とキャラクターの立ち位置もスムーズに戻る。トップであるだいもんに気を使った場面はそのままなので(だいもんへの気の使い方ももう少し違うものにしてほしかった。1曲心情を歌うような曲を追加するだけでもよかったんだよ、某植爺みたいなセリフ量だけで役の軽重を測るような真似をしないでさ)、そこらへん少し微妙だけれど、その辺もあまり気にならずにみられる。

普段だったら学年差・年齢差なんて役者なんだから乗り越えないでどうする、って思うんだけれど、今回に関しては本当に役者同士の年齢が近いことがこんなにも物語の流れがスムーズになる、いびつな部分を飲み込むことができる、っていうのを実感しました。

新公感想書くつもりだったのに本公演の愚痴メインになってしまった…。役者の感想は次に。

田渕君、もう君は自分の道を突き進んでくれ(笑) ハリウッド・ゴシップ感想

お久しぶりです。す、すみません、最近ブログ浮上していなくて。

時間、なかったわけじゃないんだよ?

(むしろ暇してた)

(そうでもない)

(あれ?)

あれ、壬生義士伝のキャスト感想じゃないの?というそこのアナタ、細かいこと気にしてたら胃に穴あくよ?

(すみません、年末ごろに年内の総括兼ねてあげる予定です。)

(ほんとかな?)

いや、ブログならSNSほど情報の鮮度がなくてもいいと思ってはいるのですが、こんな感じで中途半端に古いと逆に一番取り上げにくい気がします。

(年単位とか、極端に古い話題なら「なつかしタカラヅカ」でまとめてあげてしまうのだけど)

私この通り無精者なもので、観に行ったものも感想をTwitterで済ましたり、何も書かなかったり(← するんですけど、この「ハリウッド・ゴシップ」と「凱旋門」の新公(スカステで観ましたの)の感想をなんだか書きたくなってしまったので、お先にこちらをあげます。

と、いうことで(前置き長いな)「ハリウッド・ゴシップ」観てきました。いやあ歴史的台風の翌々日という、すごいコンディションの時に行きました。

おかげで電車は予定通り来ず、途中でお腹が痛くなったり…とアクシデント続きのまま久しぶりに遅れての観劇となりました。
前もちらりと書いた気がするのですが、咲奈は御曹司の宿命なのか、いまひとつ自分の主演作になると引きが悪いというのか、逆によくぞここまでの作品を引き当てるわ、って感心したくなるくらい作品運が悪いこともあって、どうにもこうにも自分のやる気が出ないまま(はば翼も当たらないし)当日臨んだんですが
 
すごく楽しかったです。
 
私基本的に田渕君と萌えるポイントが一緒というか、燃える(not誤字)設定が一緒というかで、どんなに話の内容がガバガバでも、どんなに主人公が人でなしで割と楽しく愉快にw観てしまうんですよね。
あの異ルネも私は嫌いじゃないですよ。
まぁあれは話のガバガバさ加減もあれだけど、一番の萌えのポイントになる人の役者不足さだよな、やっぱり…。

ほんとにあれは、上演劇場の変更と、キャスティング一部変更と、台本を一部作り変えたい…。ちなみに私はベタにロレ×レオ←グイドなんですけど、支部覗いたらロレ×ジュリもありましたね。美弥ちゃんいる頃の月組なら、それも愉快だな…(笑)

というか、異ルネの話をしている場合じゃないんですよ(始めたのはお前だ)(え)
いやぁ、外箱公演だけあって田渕君愉快にかっ飛ばしてました。
「Victorian Jazz」→ヒロインはドイル
「Sanctuary」→アンリ様総受
「相続人の肖像」→親友主人公大好きすぎ案件
な田渕君だけのことはありますよ(笑)

ジェリー、あなた絶対社長と寝たでしょ?(笑)
 
ジェリーがスターになれたのはアマンダの若いツバメだっただけだからじゃありませんよ。
 
社長の身も心もつかんじゃったからでしょう?(笑)
 
あれはただのわがままなスターとなだめる社長じゃありませんよ。しかも社長ジェリーにメロメロじゃないですか(笑)
2幕に入ってからもコンラッドと喧嘩して拗ねたジェリーを追っかけて行っちゃって、楽屋でいったい何をやってるんだ?(意味深)えぇ、絶対ただ慰めたりなだめたりじゃ済みませんよね?(以下自重)
のくせしてコンラッドと打ち合わせ(だったっけ?もう忘れたのが悔しい(笑))とか言っちゃって呼び出したりして、襲われるぅーコンラッド逃げてー(笑)ってなったりして、ちゃっかりコンラッドにも手を出そうとして、油断も隙もあったもんじゃないなこの社長(笑)と思いましたww
 
何なんでしょう、あの社長。田渕君がいけないのか、はっちさんがいけないのか(両方がいけないかもよ)(え)
ちなみにこれってコン×ジェリは王道ですよね?(王道ってなんだ王道って)(支部に同好の士がいたもん)
あーでもジェリ→コンの片思いでも愉快だなwwコンラッドがあの無神経さ・無自覚さでジェリーに誤解させちゃって、嫌いなはずのコンラッドが気になって気になって、でもコンラッドからは肝心の言葉がなくて(だってジェリーが勘違いしているだけだから)、ひたすらジェリーがじりじりするのwそしてそれをヤキモキしてみる社長(笑)
ラストはどっちのコースでもいいな。社長のもとに戻るパターンと、コンラッドもジェリーもどっちも勘違いに気づいて、ドギマギしちゃって、でもまんざらじゃなくって…っていう。もう究極に可愛いハッピーエンドな感じにしたい(笑)(おーいエステラはどこ行った?ww)
 
いや、こんな腐った話ばかりじゃなくてさ、まじめな話をするとこのタイミングでなぎしょはこんなセンシティブな役で、ファン的には大丈夫だったのかが気になる。
なぎしょの芝居は素晴らしかったのだけれども。
咲奈の役が田渕君の主役にありがち、ど鬼畜野郎だったので(笑)観ていてちょっとハラハラしました、どっちも好きな身としては。
まぁでも、咲奈にとっては3度目の正直というか、一番まともな作品がようやく回ってきてよかったです。そして脚が長い(笑)。
いや、今回の公演咲奈のスーパー頭身が堪能できてよかったです。最近、高タッパ=頭身が良いというわけでは必ずしもないんだな、ていうのを時々感じるので…。
潤花ちゃんは頑張ってたと思います。少なくともこの観劇の前後に観た凱旋門新公よりはよかったと思う。
(最近娘役に対するハードル下がり過ぎて、顔が可愛ければとりあえずよし、に自分がなりだしてるw)
潤花ちゃんはあとは舞台上のビジュアルと芝居かな?意外とシンプルなアップスタイルの方が魅力的なので、致命的にカツラ選びをミスってる気がする…。
芝居はPR×Princeも今回も、色味のうっすーい役なので、カラーは出しにくかったと思うけど、他のどんな役でももっと演じられるようになるか、もっと個性が強くなる方がいいかな。ダンスはわりとキレイに裾も捌けてた方だし、歌はまあ一朝一夕には上手くなりにくいだろうから、その2つができるようになれば最低限真ん中に立ってもいいかも。華はあるし。
(でも俺は俺のみちるを諦めてないからなw)

そして私は縣千の美貌が好き(笑)ダンスが好き(笑)
そして煌羽くんのソロ写真がなかったのが悲しかったのことよ。
(あーゆー顔ほんと好きなの)
(また黒塗りの顔がセクシーで特に好き)
(ラーメンヘアのイケメンに弱い)
(そしてもっと悪い役だと思ったよw)
(途中入場して、タンゴのシーンで、誰よりも彼よりも、煌羽くんに目がいったのことよ)
(ごめんよ、咲奈)
 

そんなこんなで演者の感想をば -壬生義士伝 感想2 ※2020年2月4日追記(笑)

はてさて、ついさっきものすっごいタイミング遅れな感想を投稿しまして笑、おまけに量が多すぎて演者の感想にたどり着けず、MRの感想も書けず…(そういや、クルンテープの感想は書かなかったな、まあいいか、Twitterである程度つぶやいたし)

東宝エリザも運よく3回観れたし(成河のルキーニが恐ろしすぎた)、ゲバラも観に行ったし(おだちんの成長力のヤバさ(→語彙力)とおはねちゃんのかわいさ)、組替えも語りたいことあるし(俺のひとこがぁ~ →まあこれは後で別途記事にするかな)、ペテン師と詐欺師に行って死ぬほど楽しかったしで、書くべきこと山ほどあるはずなんだけど、なぜかいつまでも壬生義士伝に捉われてます笑 ほんっとものすごく沢山行きたかったわぁ…。

まぁとりあえず雪組の全ツのチケット取れず、ハリウッドゴシップくらいしかチケット取れていないので(田渕君、名作・秀作でなくていいから、咲奈に普通の作品を充ててやってくれよ~(祈り))、たまったネタを少しずつ解消していこうかと思います。

さてさて本題の演者の感想。

 だいもん@貫一郎様

私、このだいもんの芝居一番好きかもしれない。いや、だいもんの実力は花組時代の若かりし頃から折り紙つきだったし、雪組に来てからはそれこそ花組で押さえ込んでいたものがすごい勢いであふれ出ていて、自分を解き放ってもちゃんと受け止めてくれる雪組子への信頼が観ていて気持ちよくって、バランスブレイカーにもならず、ちゃんとうまかったです。ただ、雪組の芝居ではなくって、だいもんの実力で周りとのカラーの違いをコントロールしているな、という感じが、今まではしていたんです。
組替えして、徐々に雪組のカラーに染まりつつはあったけれども派手に上手いなあ、と思っていただいもんが今回
地味な巧さを身につけました(笑)
いや、相変わらず歌えばバズーカなんですがww
雪組の芝居とそれ以外の芝居の差って説明するのが難しいのですが、
だいもんの芝居が「上手い」なら、雪組子(咲奈とかれーこ)の芝居は「巧い」、だいもんの芝居は主役の芝居なら、咲奈たちはそのバディの芝居、なんですよね。
まぁあくまで私の主観なので「ぜんぜんちげーよ」とか言われるかもしれないですが(笑)
私にとってのベスト・オブ・だいもんがドン・ジュアンなんですけど(というかあのだいみちが萌えとときめきの塊だった)
それを今回超えるかもしれない。
ただでさえ上手いだいもんが、雪組的巧さを身につけたら、そりゃ泣く。だーだーだーだー泣く。
あのバズーカなだいもんが、歌えば俺が世界の中心なだいもんが(笑)、
背中をやや丸めて、こじんまりしながら酒徳利を運び、へらへら笑い、へこへこし、いじましく金勘定をする。やーすごいもん見た(そりゃ某所で斎藤一に憂さ晴らしでヤられちゃう貫一郎さんg(おっと何でもないw)
なんだかもうすごい方向に進化しつつあるだいもんがただただまぶしかったのでした。(どうでもいいけど、雪組来てからのだいもんの被虐っぷりってすごくない?笑そりゃあいろんな男に襲わr)(自重しなさい。あと、せめて役名で言いなさい。)
 
まあやちゃん@しづ、みよ
 
まあやちゃんは今回辛抱どころな役回りでしたねー。原作がいろんな人の回想物な上にメインが貫一郎さんが京都にいる間の話なので、本来ならしづさんはほとんどいらない役どころ。(というか原作が男たちの愛憎ものなうえに、新撰組ネタ自体が禁断の男の園の話なんだよな…だから世の腐女子が食いつくんだろう…
なので京都で絡む大店の娘のみよさんがしづさんにそっくりという言い訳設定のもと2役やらざるを得なかったくらい。
しづのこの作品における役割はただ一つ、腹の子ごと命を絶とうとすることで、愛する夫・わが子たちが生きていけるよう命を懸ける、というたおやかながらも強き母、という姿を見せること(結果未遂だったけど)、そしてその姿を見せることで貫一郎さんが人斬りになるよう結果的に追いつめること。
日本物芝居で、江戸時代ぐらいのものをやって、お姫様か派手な花魁(太夫)の役ではなかった時の娘役って、なかなか観客に印象付けにくい、難しいところだと思うんですけど、今回まあやちゃんはその美声によってその凄味と哀れさを巧みに表現し、ぐっと作品を締めてくれました。
おみよさんも、そのいじらしさが際立ちました。時代が違うとはいえ、妻子のために働きに出ている既婚者に横恋慕し、金と立場で圧かけて結婚を迫る、っていう字面だけ見たらすごいいやな女を(笑)、可憐さと貫一郎の命を気遣う姿勢を重視して演じ、おしづさんとはまた違う魅力を見せてくれました。
ちなみにキャストの感想ではないですが、貫一郎さんが京都に行ってからの、南部にいるしづさん母子の生活のシーンがあったのはよかったです。出番的な量の話じゃなくって、貫一郎さんが出稼ぎに行ってなお生活はみじめそのもの、むしろ脱藩者であるがゆえに生活は絶望そのもの、という現実が語られてよかった。この物語はとてつもない絶望と、それでも岩を割って咲く花のような希望こそが肝だから。
 
さきな@大野次郎衛門
 
や~も~よかったです。
「ファントム」に続き、さきなの大劇場作品における演技が冴える冴える。
ひかりふるのダントンも良かったんだけど、凱旋門のアンリがさ…あれはまあさきなより脚本だな。
出番だけで言えば2番手がこんなに辛抱どころでいいのか!?って感じなんだけど、いいんです。
芝居は出番の数じゃないんです。
も~この次郎衛門様がいちいち涙のツボをついてくる。
幽閉されたお母さまのところに行き、窮屈な生活の非礼を詫びる、その姿に泣く。
立場故、脱藩する貫一郎さんを手伝うことはできないけれども、そっと手を貸し、母子のみで生活する様子を見守る様に泣く。
臣下たちの建前、貫一郎さんに冷たくあたるしかない、そのやせ我慢な姿に泣く。
なのに、ぎこちない手つきでおにぎりを固ーく握る姿に泣く。
親友がぼろ刀で自害した、その苦しみを思いやる姿に泣く。
もうね、何しても泣きますよ(笑)
(おまけに原作は、親友のこの死をきっかけにして、慎重派から幕府側になり、仇討ちとばかりに秋田を攻めるんですよ。滅びるのもわかってて。萌えません?(笑))
(しかも自分の行く末を見定めて、このままでは危険な立場である、親友の幼い末息子を、無事に育ててもらえるよう手配までするんですよ。この人、仕事でき過ぎじゃないですか?(笑))
あの耐えに耐える、やせ我慢な背中(「やせ」我慢がポイントね(笑))を抱きしめてあげたい。キャロルー、出番ですよー(時空が歪んでます、いろんな意味で)
 
あーさ@斎藤一、ひとこ@沖田総司
すみません、この二人があんまりに夫婦だったのでひとくくりで語らせてください(笑)
いや、私あんまり新撰組には萌えないタチだったんですよ。日本史よりも世界史派、日本史の中で好きな時代は古代と平安時代と室町~戦国時代と大正時代、国文的に言うなら鎌倉時代含むっていう具合なので(笑)。なかでも江戸~明治初期って、一番むしろ苦手時代。私、世界史においても女性の歴史が好きなんですよ、男の歴史には興味はありません(笑)。だから、オタクだけど新撰組は範疇外、今まで食指が全く動かないジャンルでした。
だけど今回のこの二人の夫婦っぷりは萌えました。特にひとこの闇の深さが。
一見、はじめくんの方が闇が深いんです。また、実際に闇深いんですよ、あーさ(笑)。この先生きていく気力もなく、死に場所を求めて人を斬り続ける。自分を殺してくれそうな実力のあるやつも貫一郎さんが来るまでは間近にはいない(総司は殺せそうだけれどもそれはそれ)。
そんな絶望することにも慣れきってしまったほどの絶望を抱えるはじめくんが、一見のーてんきな総司と一緒にいるのは当然のことなのかもしれない。彼の懐っこさがはじめくんの闇を癒してくれるのでしょう。
だけどそんな総司も強い闇を抱える。死をもたらす者として、死に愛された者として、延々と死に付きまとわれまくる。総司の人斬りっぷりははじめくんのようにやけっぱちになったものでもなければ、貫一郎さんのように生きたいから、食っていかなければならないから、というのでもない。死神が、ためらいなく鎌を振り下ろすように敵を斬り、そしておそらく数秒後には何事もなかったようにカラカラと笑ってみたらし団子を食べるのでしょう。谷さんが邪魔になったからと言って平気で「斬っちゃいましょうか」と、だれもが躊躇って言わなかったこともサラッと言ってのけてしまう。そして実行してしまう(手を下したのははじめくんだけど)。
かといってサイコパスなわけでもない。自分の残りの寿命が短いことも悟っていて、死んだ後に行く先は地獄であることもわかっている。わかっているけれども、立つことができる限り彼は人を斬る。それが彼の仕事であり、性だから。
死に愛された総司だから、死にたがっているはじめくんに引き寄せられたのかもしれない。死にたがっているけれど、死ぬこともできない、生きるエネルギーがなぜか(笑)妙にあるはじめくんのエネルギーに、死にかけた彼の魂が引き寄せられたのかもしれない。
なんかこの修羅な夫婦、萌えの塊でしたね(笑)また見た目美少(青)年だし(笑)
この作品、萌えの塊なんですよ~。この夫婦といい、貫一郎さんと次郎衛門様といい(笑)。
 
ほか
・なぎしょの土方さん美しい~。いや、ファントムのフィリップに限界を感じてね、もうなぎしょには美形どころは無理かと思ったのよ…。おまけにショレ氏の方が魅力的で上手だったから。完全に色物役者になってしまったかと思ったけど、まだ何とか踏みとどまってたわ。
・俺のみちるの登場=私の涙腺スイッチオン(笑)。なんかみちるちゃんが泣いていると大体私泣いていて、しまいにゃ出てくるだけで泣いてるんじゃないかと思ったよ…。
・あみちゃんのお兄ちゃんかわええ~。そして下級生が兄なのに、妹に見えるみちるが怖え~
・俺のきんぐ2号=あやくんも可愛い~。お医者さんルックも、若衆髷も可愛いよ~。
・あがたがかわい美しすぎる。どんどん美に磨きがかかりすぎてお姉さん怖い。
 
とりあえずこんな感じでしょうか。いよいよ止めどがないのでこの辺りでやめときます。
未来の私と読者のために追記:ちなみに現在、2020年2月4日!(爆)
年明けてます(笑)。なので、感想が要所要所時空が歪みまくってますが気にせずあげる(笑)。それが私(笑)。

悲しくて哀しい、フランツ・ヨーゼフの100万倍我慢した人、大野次郎衛門様 -壬生義士伝 感想

暑いですねー。そして雪組のチケットが取れない。あぁ、「Music Revolution」が観たい…。
 
というわけで観て参りました、「壬生義士伝/Music Revolution!」。
いやー泣きました。私、美弥ちゃんの退団で今年の涙は全部出し切ったと思ったんですよ(りくの時あまり泣かなかったからww)
なんだよー、普通に泣くじゃんか、私ー(笑)
 
芝居の内容で泣いたのって久しぶりかもしれない(って思ったけど、私ファントムでバンバン泣いてるんだわww)
でもけっこー泣いた。物語と役者の芝居でこんなに泣いたのはグラホぶりかな。
りかちゃんがトップだったころは観に行けば泣いていたんだけれども(笑)
 
この作品には悪人は出てきません。御陵衛士とか主人公と敵対する存在は出てくるけど、いわゆるモンクリのフェルナンみたいなTHE☆クズ(笑)な「絶対悪」は出てこないです。谷三十郎さんとかたぶん上司にいたら無能振りとかイラッとすると思うんだけどwwお金を横領してその罪を小川さん(あすちゃん)に被せたかもしれない、という話は出ているけど、実際にはわからないし、まぁ企業とかでも似たようなことはなくはないだろうからね…😣 原作では金の横領話はなく、小川さん本人が悪くて切腹だしね(そうです、原作読みました笑)。
なにより 彼ら兄弟が無能であり、その無能な彼らが新選組で上位に取り立てられてしまったことがほかの隊士たちにとっては罪であったけど、別に誰かを陥れたりなんだりであの地位を手に入れたのではなくて、近藤さん本人のコンプレックスから谷兄弟は持ち上げられてしまったからね。
 
しいて言えばこの物語で悪いのは「時代」と「武士道」でしょうか。でも、この物語に関しては「絶対悪」がないことこそ「哀しさ」の要因だと思います。
貫一郎さんも妻子を放っぽり出して脱藩はどうか、とも思わないではないけれど、あれほど食い詰めて実母が自死として餓死を選んだり、妊娠中の妻が身投げを試みたりする様を見たらもう如何ともしがたいでしょう。誰を責めたらいいのか、時代を、身分を、飢饉を恨めばいいのか、でも貫一郎さんは誰をも恨まず、武士ならきっと下げたくもなかろう頭も下げまくり、人々から謗られ侮られても金をせびりまくり、贅沢もせず家族のために金を送り続けて…。こう書いているとこの物語って、時代が江戸時代だから行動一つ一つが命がけだけど、要は現代のサラリーマンと中間管理職の悲哀の物語だよね(笑)
 
そうして頭を下げ続けて、人々に馬鹿にされ続けて、それでもへらへら笑い続けた彼が爆発したのが結局鳥羽・伏見の戦いなんだよね。「義」のために戦う、と言って、確かにそのとおりなのかもしれないけど、それ以上に父として「男とは何たるものか」「武士と何たるものか」を最後の最後に見せたくて爆発したんじゃないかと思う。(原作が「武士道」の完全否定なので、「武士とは何たるものか」はちょっと違うかもしれないけれど)
そのタイミングまで爆発できなかったこと、爆発したがために死にざるを得なかったこと、そして最後の最後に南部藩に帰りたくとも帰れなかったことがなんとも哀しくて仕方がない。そして、頼ってきた竹馬の友を足蹴にせざるを得なかった次郎衛門様が悲しくて哀しくて仕方がない(やっと本題にたどり着いた・・・笑)
 
我慢我慢で生き続けた貫一郎さんももちろん哀れなんだけれど、次郎衛門様の哀しさったらない。
次郎衛門様の耐えなければならなかったことって
正室の義母や実父の冷たさに耐えなければならなかった(これは宝塚のほうは書いてないけど原作小説ではどれだけ次郎衛門様が我慢に我慢を重ねて、それでも優等生として生きねばならなかったか、が書いてある)。
庶子だから、と言う周りの評価を覆すために、通常の何倍も努力しなければならなければならなかった。
③身分が低すぎるが故に実母を粗末なところに住まわせなければならなかった
(幽閉に近いくらいの窮屈な生活を強いざるを得なかった)
④仲良く過ごしてきた竹馬の友、貫一郎さんと身分の垣根ある付き合い方をしなければならなくなった
⑤惚れていた南部小町のしづさんを友達にとられる(まあ、これは本人が友情のほうを取ったし、実母にも南部小町まで欲張ったらいけないと言われているから、耐えることのうちには入らないかもだけれど)
⑥脱藩するほどに困窮する親友を表立っては救えなかった
⑦幕末の難しい時期に藩を背負う立場になった(原作だと次郎衛門無しには藩が立ち行かなくなるくらい仕事を抱え込んだ)
⑧⑦で難しい立場になったが故に、屋敷に転がり込んできたかつての友に表立って優しい言葉をかけてやることもできず、ひどい罵倒の言葉しか言ってやることができず、あげく切腹を言い渡すしかなかった(これゆえ、原作では「鬼」扱いされている)
⑨その後の友を気遣った振る舞いも、表立ってはできなかった
⑩友の死を表立って嘆くこともできず、偽って伝えざるを得なかった
⑪(原作では)秋田藩を攻めることを藩主に進言し、南部藩が賊軍扱いとなり、藩の人々の恨みを買った
とまあ、これだけあって、それを文句も言わずに耐え抜いて、最後は討ち死に(原作は処刑)してしまったんだからこれほど報われない、哀しいお方もいないと思う。
私、宝塚で「忍耐」の人って「エリザベート」のフランツ・ヨーゼフだと思っているんだけれども、大野次郎衛門様はそれの10倍100倍「忍」んで「耐」えた方だと思う。そしてこの「忍」の一文字のような人を演じきった咲奈がすごいわ。あとは、もう本当に自分主演で、名作と言うか、当たり役がくることだけだな、問題は。
 
長くなりすぎたので役者感想は次に。
 
追記:筆が遅すぎて、とっくの昔に千秋楽が終わったタイミングでの投稿ですwww。
一応自分用の記録として、書いた当日の日にちで投稿…。

やっぱりテスが嫌いです(笑) 宙組オーシャンズ11感想

オーシャンズ、終わってしまいました…。ほんとはこれもリアタイで挙げたかったのですが、 まあしょーがない(しょーがないって打ったらショーがないって出たよ、このパソコンww)

ほんとはりくの退団はショーありの公演が良いな、と思ってました。1本物だとどうしてもバンバン踊り倒せないし、 ましてイケコだと退団者への愛あるアテ書きってあまりできないタイプだし(キングで経験済み)、見せ場で歌を与えられても「ww」ってなるタイプだし…。 ただそれでも好きだった役で今回のバシャーを挙げていたので、よかったのかなーとも思います。

 

オーシャンズ11って話は突っ込みどころ多いし、ハッタリが効けばOKな作品なので別に宙組じゃなくてもいーじゃんわざわざ、とも思ったし、スーツな真風は見たいけど真風に合わせているように見せかけて実はキキちゃんが楽なようにしているんじゃないこれ?とも思ったし、でそんなにものすごく楽しみじゃなく(←)、でもせーことりくやめるし、スーツな真風は見たい(2回目)で行ったわけです。 結果、


すごく楽しかったです(真顔)


いやー、周りが上手いっていいね。 私、常々ヴィジュアル推しだし、上手いブスよりは下手な美人の方が好きな方なんだけど、周りに関しては上手い方がいいわ。

いや、下手というかなんだろー、真ん中も芝居が下手な人は無理。どんなに美人でも。 音痴は我慢するけど、芝居が下手だったり、計算ができていない芝居だったり、一見うまくても周りと呼吸を合わせられない芝居をする人は無理だな。

私が宙組を好きなのって、全体芸の上手さなんだよね。みんなで一つのものを作り上げるっていう…。 なんか急に体育会系が言いそうな根性論みたいな発言になってしまったけど、そうじゃなくて、宝塚もオペラみたいな総合芸術・エンタメなので、 みんなで芝居する、みんなで歌う、みんなで踊る、合わせるところは合わせる、っていう部分のクオリティは高くて然るべきだと思うんだよね。 

その土台があって初めて、アピるところはアピる、抜きんでたものを持つ人はそれを披露する、真ん中の人はキラキラ輝く、ってのがいいんだと思う。 今の宙組って、アンサンブル力はもちろん、芝居もうまいし、最近はダンスもうまくなってきたので、本当に周りのクオリティが高いんだよねー。

 

で、基本論みたいな話になってしまったけれど、今回のオーシャンズはそんな宙組の力が遺憾なく発揮されていたと思う。 まず私が楽しみにしていた3ジュエルズとマイクなんだけど、もう期待通り、というか期待を超えすぎているww この4人だけでも歴代最強だと思う。るいまきはもっと歌えばいいのに、とも思うけど、もともとマイクはソロが少ないから仕方ないか…。 あと、こう言っておいてなんだけど「It's today」は3ジュエルズ版の方が好きですwwるいまきごめんねwでもあなたのソロ版も好きよあとまいあちゃんの脚線美が見事すぎる。みねりちゃんは宙に来てからの方がきれいで可愛くなった。


あとスーツの真風は最高です(3回目)。いや、わかってはいたんだけれども。水夏希さんの親戚(!?)なんだからスーツが似合うに決まっているんだ。

りくは思ったより出番が多かったです。初演はあずさちゃんでほとんど無きに等しかったし、再演みーちゃんで少し増えたしポスター載ったけど、やはりあまり扱いが良くなかったので、配役発表時はしょぼくれたけど、スター枠で、退団だったのでさすがのイケコも扱い良くしてくれました、少し((笑)
「ガンガン稼ごう♪」のところでスロットをやる娘役さん(誰だかわからなかった、ゴメン…。)をナンパして踊り出すところが、リードがすごくエレガントで素敵で、いつもそこを見ていたのですが、LVは案の定そこ抜かなかった(くそう…)。

せーこは思った通りに上手かったです。シェイクスピアの少年役や、エリザのゾフィーのような意外性のある感じではなかったけれど安定感のあるうまさで、本人が楽しそうにはじけていたので、よかったんじゃないでしょうか。
すごくいい役者で、しかもきれいという、いかにも元雪組らしい人でした。もったいないな…。

安定感といえばりんきらも(笑)。地味に好きなのは掃除夫(?)に化けて逃げるところがリアルすぎてww
あと、このタイミングでもえこに堕ちそうです。助けてくれ。

みなとのベネディクト、よかったです。とっても。何だったら歴代一上手いかもしれない。いや、だいもんのベネディクト良かったんだけど、あまりに周りを吹っ飛ばしそうな勢いが強すぎて、みっちゃんがおらんかったらあの時のオーシャンズは完全にパワーバランス崩れてたと思うwwまあそこがだいもんのだいもんたるところなんだけれども。あと他組でやってればもっとパワーバランス取れてたと思うよ、うん。
みなとベネディクトの会社だと企業形態はダークだけど、労働形態はそんなに悪くなさそうだよね、ホワイトではないけれどww
怒るけど、それは部下がやらかしたからだし、金の力が分かっているからちゃんと払いはよさそうだし、税金も納めているし、理不尽なことで怒ったりパワハラ・セクハラはなさそうだもん。
ベネディクト7のメンバーもバランス取れててよかった。もあちゃん、「相続人」のベアトリスでこんなに上手いんだこの子、って思って、この間の「パパ、アイ・ラブ・ユー」でもすごく爆発してて(笑)、今回ららか、どちらかが辞めるかもとは思っていたけれど…。
あと星月君がいよいよちーちゃんに見えてきてちょっとときめいてます(笑)ちーちゃんの顔好きだったんだよねー。

まっぷーのおじじぶりが板につきすぎてヤバイww。顔の表情とかおじいさんそのものなんだよね。とても真風と同期に見えない(←褒めてる)

11に話を戻すと、あきものイエンが好き。無邪気~に犯罪をしているところがすごくサイコパス感があるんだけどもww胡散臭い中国人喋りとか、ちゃっかりしているところとかがすごいかわいい。かわいいからそのサイコパス感が変に板についてるww。
11のチップ&デールこと、モロイ兄弟もかわいい。ただ、この兄弟の可愛さだけは花組再演版に勝るものなしかな。あと、キヨのダンススキルが半端なさ過ぎて最近宙に来たら大体キヨのダンスを見ている気がするww

あ、今回の大事なMVPに触れるの忘れてた。そらのライナス!
すごく少年感にあふれてて、あんな少年なら確かにお父さんと比較されたくなかったり、うじうじいつまでも悩んでたりするよねーって思いました(笑)
いや、初演がヴィジュアルおとなっぽ過ぎるせいでいい加減お前早く大人になれよwwって状態だったのでwwそのくせ技術が見た目にかみ合ってなkゲフンゲフン
あと地味にすごかったのがMr.Pickpocketのスキャットを自分でこなしてたこと。初演・再演が影ソロ任せのダンス専念だったし、宙組なので影ソロ誰かなーっていう楽しみもあったんですが、自分で歌い出して、ダンスも歌も安定していて「うわーすげー」ってなりました。いやー、やっぱ何でも上手いな。

もともとこの作品ヒロイン嫌いだしwwほかの登場人物もそんなに好きな人いないし、話は突っ込みどころ多すぎるしで、大好きっていう作品ではないんですが、太田先生の曲が「太田先生!」っていう感じの曲で大好きな曲ばかりだし、やっぱりJACK POT見るといいもん見たって気にさせられてしまうんですよね、腹立たしいことに(笑)中身なさすぎなんだけど、なさすぎるせいで2時間半のショーを見ているようなもんで、それはそれで楽しいかも…って状態ww

あ、1つ、今回テスの衣装がしょぼすぎて(´・ω・`)ってなりました。有村先生ェ…。フレッツかそうじゃないかって差は大きいのか、こんなに…。
まどかちゃん、頑張ってたと思います。任じゃない役だけどちゃんとむかついたし(笑)ただ、合う合わないってのはどうしてもあって、もうこればっかりは本人の力だけではどうにもならないと思います。まぁ君のトートとかね…。
合わないキャラクターを強引に自分のものにできるタイプもいるけれど、それは相当な役者なので。それができる人だと本気で好きになってしまうのだけれど(笑)
テスって多分かなり共感を呼びにくいキャラクターで、それをねじ伏せるだけの美貌や魔性がないとダメなんだよね。まどかちゃんも魔性を持っているタイプなんだけどテスの持つ魔性とはタイプが違う。
テスの持つ魔性って男に「この女を手にしたら俺は超一流の男だ」って思わせるタイプの女なんだよね。アクセサリータイプ。
で、女から言わせると「大して実力もないくせにちょっと可愛いからって…。」ってタイプ(笑)だから初演ねねちゃんのアテ書きが素晴らしかったんだ…。
でも、別にテスを演じるのに必要なスキルって全然娘役にはいらないスキルだと思うんだ。少なくともヒロインを演じるうえで。だから今回レベルで演じられていれば、この役に関してはもういいと思う。もうどうにもならないもん。

ぶーぶーぶーぶー言いつつ、何のかんの楽しんでしまったのでした。
退団者のみなさま、お疲れ様でした。

夢現無双に関して思うこと ※6/28追記

お久しぶりです。いやーほんとにお久しぶりです。
なんか、そんなに忙しかった記憶もないのですが、なんか更新できませんでした。10連休もあったのにね。
自分の中で美弥ちゃんとりくの退団が結構キているみたいです。
美弥ちゃんなんて半年近く前に退団情報出てたのに。
 
なんかもうもっぱらtwitterでたまみや萌えネタ読むか、インスタでたまみや画像漁るか、はたまたpixivでたまみやネタSSを読み漁るか、そんなことばっかしていて、自分から情報発信があまりできていませんでした。
リアタイの観劇ログで、もうTwitterに愚痴も萌えも(愚痴9割ww)語りつくしてたので今更ブログはもういいか、とも思ったのですが、Twitterには長くなりすぎて書けない、ってところを自分なりに整理して書きたいと思います。
 
1.結局役者を信用していないよね?
 
何が腹立ったかって、結構これに尽きる気がします。
みなさまご存知の通りの録音セリフの応酬。
効果的なタイミングで使われているのであれば、録音セリフのすべてをダメ、というつもりはないです。
「星逢一夜」の晴興と源太の戦いのシーンは録音セリフだからこその良さがあると思います。
今回なら吉岡一門との戦い前の「兵法が~」の下りはまあ確かに録音でもよかったかもしれない(セリフでもいいんじゃないかとも思うけど)。
あとは武蔵と小次郎の出会いのシーンもベタで微妙なところもあるけど、まああれも録音でいいでしょう。
 
でも他は野暮なタイミングで無駄うちが多すぎる。
吉岡一門との戦い前にお通が武蔵を止めに来るところも、吉野太夫の「未練、はじめての」は1万歩譲ってありにしても、そのあとの武蔵の「このとき、俺は初めてこの命を惜しいと思った。」は完全に蛇足でしかない。
例えばお通役の子がくっそ滑舌が悪くて何言っているかわからん、っていうのであればこの差し込みもわかるけど、一応そういうことはなかったんだからさー。
たまきちだってちゃんと戸惑った演技をしていたし、なにより義務教育レベルの国語を終えていれば、この辺の文脈は観客なら分かるでしょうww
外国人だって日本語分かればさすがにわかるよ。
ショーなら頭悪くてなんぼ、なところもあるけど、芝居まで頭悪くなってどうするよ。
 
というか、ここの下りをもし「このセリフ入れなきゃわかってもらえないよ~」と本気で思って入れたなら、さすがにサイトーの頭が悪すぎるわ…。
観客をバカにしすぎだろ、と。
 
2.主役は誰?
 
またの名を武蔵と小次郎の物語なのに2人が希薄すぎるだろ問題(笑)
 
この物語の主人公は誰でしょう?
武蔵?いいえ、違います。
お通?いいえ、違います。
小次郎?もちろん、違います。これは「巌流」ではありません。
 
この作品の主役はサイトーヨシマサ、もとい本位田又八でございます(笑)。
この作品は又八の眼から見た、武蔵の時代の物語なのです。そりゃあ「小次郎銀橋通過しただけ事件(笑)」が多発しますわ。
又八にとって小次郎は自分が名前を騙った怖ーい武士にすぎませんからね。
 
吉川英治の小説ではどんな立ち位置になっているかはわかりません。でも、この作品においては又八=サイトーくんの眼になります。
そして彼が主役だからこそ、彼はいろいろな人と絡むし、いい思いもすれば大失敗もするし、命からがら逃げることもあり、やがて成長していくのです。
それに対して武蔵も一応いろいろな人と絡むけど、それに対しての彼の思いの変化だとかは何も書かれない。
あれだけ無駄に心の内を語っているのに(笑)肝心の心の動きは、完全にただのでくの棒と化している。
彼と相対する人たちは武蔵にとって名のある張りぼて
一歩間違えたらただのサイコな人間ができますわな。
 
お通は「ヒロイン」という名のアイコン(美人だから男が愛する、っていう安直なものの考え方も嫌いだ。私も美人が好きだし、そもそも宝塚のヒロインは基本美人前提だが、物語において男が女を愛するきっかけに美貌はあっても、理由がそれしかないのは底が浅すぎる。
オペラ並みに単純明快な世界ならともかく。美しいだけでは物語が広がりきらないから、新しいディズニーはヒーローとヒロインが心通わすシーンを描いているんでしょうが。
あと、美人美人連呼するのもやめれ。すればするほど中の人の説得力が失s(ry
 
小次郎にいたってはただの通行人・立っているだけ。時々戦う。
余りに何もしないから、途中からこっちで勝手に設定立てて萌えのために頑張ったわよ!ふんっ。結果小次郎がすげー変態になっt
 
じゃあ又八の姿を借りたサイトーは何をしているかというと、いかに武蔵と小次郎が強くてかっこいいか、っていうことを彼らの近くにいてワ―キャーやっているだけ。
で、自分が主役だから、物語のおいしいドラマとなところはちゃっかり自分が持っていく。
せっかく武蔵と小次郎の近くに自分を配置したんだから、近くにいる人間ならではの視点で2人の魅力を引き出せばいいものを、結局は2人に関わる張りぼての皆さんとやっていることは一緒。
だから観客には武蔵と小次郎の何が素敵かがわからない。基本的に宝塚は魅力的な男を観に行く場所なのに(たとえそれがどんなダメンズでもだ)。
 
小次郎は「いい男」と「強い」ことしか何も見えてこないし、武蔵はやっぱり「強い」ことくらいしかない。
朱実を助けたけどそれは世話になった恩返しが1/3、又八にせっつかれたのが1/3、自分が所属していた軍を滅ぼした奴らだったことへの憂さ晴らしが1/3程度の話だろう。
結局、サイトーくん自身は役者を信用しなかったくせに、役者自身の魅力・演技力に頼って今回の作品は作ってるんだよねー。
だからそのどちらにも頼れないお通さんはあんな悲惨な感j
 
サイトーくん、君に人間を描くことを求めた私がばかだったよ…。エルアルやトラファルガー見てれば思い出した話だったわ…。
 
3.盛り上げるポイント違うだろ問題
 
サイトーくんが芝居を作るときの強みっていうのは、宝塚らしいショーアップした芝居が作れることだ。
彼のショーのメリハリのなさが苦手な私にとっては、物語がくっついてある程度勝手にメリハリがついた方が、彼のいいところである派手な部分をいい感じに楽しめるのだ。
武蔵と小次郎大好きなサイトーくんなら(今回で3回目)、きっと派手派手しく巌流島を盛り上げてくれるだろう。
なんてったって今回は美弥ちゃんの退団だぞっ!
 
っと思っていた時期が私にもありましたわよ…(遠い目)
 
吉岡一門との戦いの方がクライマックスだとはだれも思いませんわ…
 
そりゃ物理面で言ったら40余りVS1人の方が見栄えはするでしょう。
「桜華~」もみっちゃん(桐野)の何十人切りが見どころだったわけだし。
でもその40人余り=小次郎1人なんじゃないの?
っていうか、桐野の何十人切りはちゃんとクライマックスのタイミングにあったけど、
吉岡一門との戦いは物語の半ばだぞ?
そのあとに盛り上がりなおす力があるならいいけどサイトーくんの作品でそこまでの馬力がある作品を見たことがない。
 
あと、サイトーくんって最近変にくーみんの影響を受けていないかい?
巌流島の戦いをあえて静寂の中での戦いにしたところにそんな印象を受けるんだけど、そんなのくーみんみたいに情緒どころか人間も碌に描けないんだから、諦めて潔くいつも通りアニゲーっぽいものを作っていればいいんだ(言っちゃったよ…)
一応小次郎が死ぬタイミングで「雷」のSEが入るので何か起きたなって気はするけどそのままあっけなく死んじゃって、しかも出てこないなんて誰も思いませんわよー!!(蛇足ながら、すごい鋭利に研いだ木刀なら人を殺せるの?
喉とか脳天を突くなら死ぬの分かるけど、明らか武蔵が小次郎を殺すとき木刀でザシュっといっていたよね?
多分脇差しで刺してなかったと思うんだけど…。
木刀で刺したように見えたから余計死んだような気がしなかったんだよ)
 
日本物だから地味でできなかった、とは言わせませんわよー。
何せ彼は派手な日本物はたくさん作っているし、何といっても「巌流」を作っているのだ。
だから、小次郎を殺し、独行道に苦悩する武蔵が幽霊として現れた小次郎とダンスをするなりなんなり盛り上げる方法はいくらもあったのに、彼が力こぶを入れたのは結局吉岡一門との戦いなわけで。
 
いつも通り心が描けず、いつもと違ってエンタメ感あふれる作風で作れず、結果いつも以上にひどい作品を作ったサイトーくんの私の中での株は大暴落というか、ストップ安となったのでした・・・。
IAFAマジ不安だわ…。
 
2019.6.28追記
この感想を書いている途中のままいつしかれーこは全休演となり、たまきちの体調も怪しく、美弥ちゃんの退団を迎え、この公演は私にとってただの駄作からトラウマ公演となってしまいました。
クルンテープがなかったら(正確には一蓮托生がなかったら)、サヨナラショーがなかったら、幕前のやり取りがなかったら、多分もっと怒り狂った公演になったし、そして何より、こんな公演でも頑張ってやり抜いてくれた月組子たちのおかげでトラウマのままではあるけれど何とか昇華させられそうです。
 
こんなに日がたってしまったので、本当はこのまま没記事にしてもよかったけど、
リアタイの私がどう思っていたか、そんな記録を残しておきたいのと、このトラウマを昇華させる最後の一手として、美弥ちゃん退団して2週間以上たってしまったけれど、書いていた日の日時のままこうしてあげたいと思います。