Reikaの徒然草(改)

つれづれなるままに…ヅカ感想メインのブログ。ヅカ以外のことも語るよ。

夢現無双に関して思うこと ※6/28追記

お久しぶりです。いやーほんとにお久しぶりです。
なんか、そんなに忙しかった記憶もないのですが、なんか更新できませんでした。10連休もあったのにね。
自分の中で美弥ちゃんとりくの退団が結構キているみたいです。
美弥ちゃんなんて半年近く前に退団情報出てたのに。
 
なんかもうもっぱらtwitterでたまみや萌えネタ読むか、インスタでたまみや画像漁るか、はたまたpixivでたまみやネタSSを読み漁るか、そんなことばっかしていて、自分から情報発信があまりできていませんでした。
リアタイの観劇ログで、もうTwitterに愚痴も萌えも(愚痴9割ww)語りつくしてたので今更ブログはもういいか、とも思ったのですが、Twitterには長くなりすぎて書けない、ってところを自分なりに整理して書きたいと思います。
 
1.結局役者を信用していないよね?
 
何が腹立ったかって、結構これに尽きる気がします。
みなさまご存知の通りの録音セリフの応酬。
効果的なタイミングで使われているのであれば、録音セリフのすべてをダメ、というつもりはないです。
「星逢一夜」の晴興と源太の戦いのシーンは録音セリフだからこその良さがあると思います。
今回なら吉岡一門との戦い前の「兵法が~」の下りはまあ確かに録音でもよかったかもしれない(セリフでもいいんじゃないかとも思うけど)。
あとは武蔵と小次郎の出会いのシーンもベタで微妙なところもあるけど、まああれも録音でいいでしょう。
 
でも他は野暮なタイミングで無駄うちが多すぎる。
吉岡一門との戦い前にお通が武蔵を止めに来るところも、吉野太夫の「未練、はじめての」は1万歩譲ってありにしても、そのあとの武蔵の「このとき、俺は初めてこの命を惜しいと思った。」は完全に蛇足でしかない。
例えばお通役の子がくっそ滑舌が悪くて何言っているかわからん、っていうのであればこの差し込みもわかるけど、一応そういうことはなかったんだからさー。
たまきちだってちゃんと戸惑った演技をしていたし、なにより義務教育レベルの国語を終えていれば、この辺の文脈は観客なら分かるでしょうww
外国人だって日本語分かればさすがにわかるよ。
ショーなら頭悪くてなんぼ、なところもあるけど、芝居まで頭悪くなってどうするよ。
 
というか、ここの下りをもし「このセリフ入れなきゃわかってもらえないよ~」と本気で思って入れたなら、さすがにサイトーの頭が悪すぎるわ…。
観客をバカにしすぎだろ、と。
 
2.主役は誰?
 
またの名を武蔵と小次郎の物語なのに2人が希薄すぎるだろ問題(笑)
 
この物語の主人公は誰でしょう?
武蔵?いいえ、違います。
お通?いいえ、違います。
小次郎?もちろん、違います。これは「巌流」ではありません。
 
この作品の主役はサイトーヨシマサ、もとい本位田又八でございます(笑)。
この作品は又八の眼から見た、武蔵の時代の物語なのです。そりゃあ「小次郎銀橋通過しただけ事件(笑)」が多発しますわ。
又八にとって小次郎は自分が名前を騙った怖ーい武士にすぎませんからね。
 
吉川英治の小説ではどんな立ち位置になっているかはわかりません。でも、この作品においては又八=サイトーくんの眼になります。
そして彼が主役だからこそ、彼はいろいろな人と絡むし、いい思いもすれば大失敗もするし、命からがら逃げることもあり、やがて成長していくのです。
それに対して武蔵も一応いろいろな人と絡むけど、それに対しての彼の思いの変化だとかは何も書かれない。
あれだけ無駄に心の内を語っているのに(笑)肝心の心の動きは、完全にただのでくの棒と化している。
彼と相対する人たちは武蔵にとって名のある張りぼて
一歩間違えたらただのサイコな人間ができますわな。
 
お通は「ヒロイン」という名のアイコン(美人だから男が愛する、っていう安直なものの考え方も嫌いだ。私も美人が好きだし、そもそも宝塚のヒロインは基本美人前提だが、物語において男が女を愛するきっかけに美貌はあっても、理由がそれしかないのは底が浅すぎる。
オペラ並みに単純明快な世界ならともかく。美しいだけでは物語が広がりきらないから、新しいディズニーはヒーローとヒロインが心通わすシーンを描いているんでしょうが。
あと、美人美人連呼するのもやめれ。すればするほど中の人の説得力が失s(ry
 
小次郎にいたってはただの通行人・立っているだけ。時々戦う。
余りに何もしないから、途中からこっちで勝手に設定立てて萌えのために頑張ったわよ!ふんっ。結果小次郎がすげー変態になっt
 
じゃあ又八の姿を借りたサイトーは何をしているかというと、いかに武蔵と小次郎が強くてかっこいいか、っていうことを彼らの近くにいてワ―キャーやっているだけ。
で、自分が主役だから、物語のおいしいドラマとなところはちゃっかり自分が持っていく。
せっかく武蔵と小次郎の近くに自分を配置したんだから、近くにいる人間ならではの視点で2人の魅力を引き出せばいいものを、結局は2人に関わる張りぼての皆さんとやっていることは一緒。
だから観客には武蔵と小次郎の何が素敵かがわからない。基本的に宝塚は魅力的な男を観に行く場所なのに(たとえそれがどんなダメンズでもだ)。
 
小次郎は「いい男」と「強い」ことしか何も見えてこないし、武蔵はやっぱり「強い」ことくらいしかない。
朱実を助けたけどそれは世話になった恩返しが1/3、又八にせっつかれたのが1/3、自分が所属していた軍を滅ぼした奴らだったことへの憂さ晴らしが1/3程度の話だろう。
結局、サイトーくん自身は役者を信用しなかったくせに、役者自身の魅力・演技力に頼って今回の作品は作ってるんだよねー。
だからそのどちらにも頼れないお通さんはあんな悲惨な感j
 
サイトーくん、君に人間を描くことを求めた私がばかだったよ…。エルアルやトラファルガー見てれば思い出した話だったわ…。
 
3.盛り上げるポイント違うだろ問題
 
サイトーくんが芝居を作るときの強みっていうのは、宝塚らしいショーアップした芝居が作れることだ。
彼のショーのメリハリのなさが苦手な私にとっては、物語がくっついてある程度勝手にメリハリがついた方が、彼のいいところである派手な部分をいい感じに楽しめるのだ。
武蔵と小次郎大好きなサイトーくんなら(今回で3回目)、きっと派手派手しく巌流島を盛り上げてくれるだろう。
なんてったって今回は美弥ちゃんの退団だぞっ!
 
っと思っていた時期が私にもありましたわよ…(遠い目)
 
吉岡一門との戦いの方がクライマックスだとはだれも思いませんわ…
 
そりゃ物理面で言ったら40余りVS1人の方が見栄えはするでしょう。
「桜華~」もみっちゃん(桐野)の何十人切りが見どころだったわけだし。
でもその40人余り=小次郎1人なんじゃないの?
っていうか、桐野の何十人切りはちゃんとクライマックスのタイミングにあったけど、
吉岡一門との戦いは物語の半ばだぞ?
そのあとに盛り上がりなおす力があるならいいけどサイトーくんの作品でそこまでの馬力がある作品を見たことがない。
 
あと、サイトーくんって最近変にくーみんの影響を受けていないかい?
巌流島の戦いをあえて静寂の中での戦いにしたところにそんな印象を受けるんだけど、そんなのくーみんみたいに情緒どころか人間も碌に描けないんだから、諦めて潔くいつも通りアニゲーっぽいものを作っていればいいんだ(言っちゃったよ…)
一応小次郎が死ぬタイミングで「雷」のSEが入るので何か起きたなって気はするけどそのままあっけなく死んじゃって、しかも出てこないなんて誰も思いませんわよー!!(蛇足ながら、すごい鋭利に研いだ木刀なら人を殺せるの?
喉とか脳天を突くなら死ぬの分かるけど、明らか武蔵が小次郎を殺すとき木刀でザシュっといっていたよね?
多分脇差しで刺してなかったと思うんだけど…。
木刀で刺したように見えたから余計死んだような気がしなかったんだよ)
 
日本物だから地味でできなかった、とは言わせませんわよー。
何せ彼は派手な日本物はたくさん作っているし、何といっても「巌流」を作っているのだ。
だから、小次郎を殺し、独行道に苦悩する武蔵が幽霊として現れた小次郎とダンスをするなりなんなり盛り上げる方法はいくらもあったのに、彼が力こぶを入れたのは結局吉岡一門との戦いなわけで。
 
いつも通り心が描けず、いつもと違ってエンタメ感あふれる作風で作れず、結果いつも以上にひどい作品を作ったサイトーくんの私の中での株は大暴落というか、ストップ安となったのでした・・・。
IAFAマジ不安だわ…。
 
2019.6.28追記
この感想を書いている途中のままいつしかれーこは全休演となり、たまきちの体調も怪しく、美弥ちゃんの退団を迎え、この公演は私にとってただの駄作からトラウマ公演となってしまいました。
クルンテープがなかったら(正確には一蓮托生がなかったら)、サヨナラショーがなかったら、幕前のやり取りがなかったら、多分もっと怒り狂った公演になったし、そして何より、こんな公演でも頑張ってやり抜いてくれた月組子たちのおかげでトラウマのままではあるけれど何とか昇華させられそうです。
 
こんなに日がたってしまったので、本当はこのまま没記事にしてもよかったけど、
リアタイの私がどう思っていたか、そんな記録を残しておきたいのと、このトラウマを昇華させる最後の一手として、美弥ちゃん退団して2週間以上たってしまったけれど、書いていた日の日時のままこうしてあげたいと思います。