Reikaの徒然草(改)

つれづれなるままに…ヅカ感想メインのブログ。ヅカ以外のことも語るよ。

大人と子供、傲慢さと不安さの絶妙なバランスの魅惑の男爵の旅立ちー珠城りょう 退団―

実はご多分に漏れず、初めはマイナスからのスタートだったんです。
たまきちとの邂逅は2012年月組ロミオとジュリエット、新公のグラフでの写真。
第一印象は「…ロミオとティボルトの配役、逆じゃね?」でした(笑)。
いや、ティボルトやってた煌月爽矢ちゃんの方が当時私好みの美人だったんでね(笑)。傍から見ても爽矢ちゃんの方が美少年で売った方が良くて、たまきちは野郎系で売った方が絶対普通に受けただろうに、なんか劇団の売り込み方はどうしたいんだか…という感じでしたが。
また、たまきちがロミオをやるにはあまりにガタイがよく、当世風の流行から行くと顔が、その、割と大きく(普通に頭身で考えたら小さいよ?ただ身長に対しアホみたいに顔が小さい人が多いからさ、最近)、また若いのでえらく、その、丸ぽちゃかったので…。当時美少年・美青年好みの私(今もか)としては、範疇外だったのです。
(いや、たまきちは普通に美形なんだけど。ただ、若いころはなかなか分かりやすく美形ではなかったんだよなー…いろいろ。当時私が嵌っていたのが凰稀かなめということで察してもらえれば、と(笑))

で、私同じ94期の当時たまきちと並んで景気よく推されてた某男役さんが大の苦手でして…。そして同じく94期の推されまくってた某ヒロイン候補だった娘役さんも苦手で…。だからその流れで、なんだ94期ろくなのいねぇってなってたんです。
(すみません、まじですみません。煌羽くんとか知らなかったんです、マジで。)
ロミジュリの本公演でも死をやっていたから目に入っていたはずなのにあまり印象に残ってないしな(というかあまりにものを知らな過ぎて当時普通に受け入れてたけど、ファルセットで歌う煌月くんってなんだ?(笑))。

てな感じでたまきちに対してマイナススタートで始まった私、その後ベルばらのジェローデルが存外よく、マイナスからゼロ地点まで無事戻ってきたり(笑)。(余談。後日見た新公のアランが結構よかった。)
その後も認識はしているけど、好きでも嫌いでもない、空気みたいな扱いをしていた私(笑)。2013年の全ツなんてけっこうかっこいいし、たまるりで組んでるシーン多いじゃん!って今なら思うけど、当時ショーでいたっけ?扱い(トホホ…)(芝居のJINで何やったかは覚えてるんだ、いちおー)(ちなむとそのあとのNWもおいしかったのに最近までガン無視だったからな)。世間的な雲行きが変わったというか、劇団が多分決意を固めたのは月雲の皇子の成功なんだと思うけど、2015年まで私は暢気にしておりました。
1789のロベスピエールはかっこよかったけど、あれはたまきちのカッコよさというか、シーンのカッコよさにやられてた感じだからな…。
そしてドラゲナイの中詰めの客席降りでタッチをスルーされてちょっと悲しくなったり(まあ近い席ではなかったんだけどw)(ついでにフィナーレの美弥ちゃんは戻ってきてくれてタッチしてくれたw)、フィナーレの出てきた順番で劇団の意図を察してしまいちょっと悲しくなったり…。ただ、当時怒り狂いはしなかったので、おそらくその時点でたまきちのことは嫌いではなかったんだと思う。嫌いとか苦手なスターが同様な状態になるともれなく怒り狂ってるので(笑)。とりあえず美弥ちゃんが辞めないことと、たまきちがアンチに押しつぶされないことだけを祈っていたような記憶。

晴れて2番手になった舞音では、あ、腹を括ったんだなあという印象を何とはなしに感じました。どこがどう、とは説明できないんだけどね。激情はあいにく観に行かず、NOBUNAGAの髭面のロルテスが地味にツボだったり(妻木@あーさを顎クイする写真はよくぞ昔の私買ったぞ!って感じだわw)。そうこうしているうちにあっという間にトップスターになって。
アーサー王伝説のたまるりのカップコンビぶりにもぎゅもぎゅしたり(あ、言い忘れてましたが、私たまきち単体で好きになる前に、たまるり萌えしてます、ええ)、最後のパレードで美弥ちゃんに変わらないほどの大きな拍手をもらっていることにほっとしたり…。近年例を見ない学年で、しかもちょっと複雑な環境で、とんでもない重荷を背負わせているなあと感じて迎えた2017年。

ちょっと当時の事情説明いたしますと、以前説明している通り、私、贔屓の一人に湖月わたるさんがいらっしゃいまして、彼女のルキーニが大好きなんですね。
で、2017年年明け早々のエリザOGガラコンで何度目かの湖月わたるブーム(笑)が私に来ておりまして、端的に言えばロスに陥ってたんですね。そんな、飢えた状態wで着いたグランドホテルマイ初日の席…。

見える…!舞台上に、私の湖月わたるが…!(笑)。

りかちゃんの退団以来、美弥ちゃんと真風大好きだったけど、なんとなく私の心に空いていた隙間にスッコーンとクリーンヒットwちなみに美弥ちゃんに関してもこの公演で改めてズボズボと沼にはまりました(あとちゃぴと海ちゃんもね)。グランドホテルもこの公演で大好きになって、もっとチケット取っておけばよかった~と後悔したのはまた別の話。

とは言えまだまだ懐疑的な私。カルーセル輪舞曲のたまきちはフラットに見てたから、たまきちに堕ちたんではなく、男爵が良すぎたんでは?となり、じゃあ、ということで観たAll for Oneのフィナーレであっさり撃ち落される(笑)。い、いや、あれは役が良くて合ってたし、フィナーレは1本物で役引きずってるから!全ツのカラフとクリタカは普通だったし!ということで迎えた2018年。みなさま、そう、あれです…。

BADDY…(笑)。

いやー狂った狂った。凰稀かなめの退団の時とどっちか、っていうぐらい大散財した公演。突如思い立って遠征行くわ、遠征先でチケット足すわ、東京でもおけぴで次々チケット足すわ、公演グッズ、絨毯爆撃並みに買うわ…(笑)。いや、BADDYに狂った話を今はしたいんじゃない。この公演は漢・珠城りょうに沼のどん底まで突き落とされた公演でした。
そっか、私は善良な人、スパダリなたまきちが見たいんじゃない。
黒い、傲慢な珠城りょうが見たいんだ…。いたずらして「やっちゃったテヘペロ」なちょい悪男(思いっきり悪男?(笑))が見たいんだわ…。
すみません、懐疑的になっててマジすみませんでした。あ、もうわかったからこれ以上いじめないでぇ~。

以来めでたく(?)たまきちに気持ちよ~く堕っこちまして。
雨に唄えば相手役は置いといてあんなに胸キュンロマンチックラブストーリーとして観たのは、映画版含めてン十回観た中で初めてでしたw
エリザベートのトート(だからなんで劇団は持ち味に合わない役ばかり振るかなあ、もう)はまぁちょっと持ち味には合わなかったけど、この時のエリザベートの作られ方が歴代とちょっと様子が違ったので(これもこれでまた別な話になるなあ)、その作られ方だとたまきちのトートでもよかったのかなあと思ったり。あと、たまきちは暗いセクシーさを持っているので、そこは持ち味太陽ギラギラっなまぁくんよりはトートがあってたかなと思ったり。
で、相手役さんが変わったOTTは正直映画版の方が数倍楽しいよな、と、思ったり…(野口先生ェ…)
ただ、幻想シーンの上裸スケスケシャツは楽しみましたよ、えぇ。たまきちの美点の一つにリアルな肉を持ち、セクシーなのに、いやらしさを感じさせない、ってとこがあるなあと思います。クルンテープの一蓮托生のシーンなんてファンタジックな、情緒に訴える官能性を持つ美弥ちゃんと、リアルな肉と温度を持つセクシーさのたまきちの相乗効果で、ものすごくいいシーンでした、えぇ。あぁ、いいコンビだったなぁ(遠い目)
IAFAはサイトーを唯一評価してもいいと思ったのは衣装のセレクトだな(とはいえお衣装さんの功績かもしれないし、現地に則っただけかもしれないからねぇ…)。これもたまきちの肉のリアルさが生きた衣装だった(さっきから肉肉言い過ぎだな、私…)。

私のたまきちのもう一つ好きなところは貴族的な仕草が似あうところなんですね。
や、古の少女マンガファンというか、プリンセス願望拗らせてる系なので(笑)、姫と騎士とか、女王と騎士的な構図、好きなんです(笑)。だから跪くのとか、胸に手を当てて控えるとか、手の甲に口づけとか、そーゆーの、似合う人好きなんですよね~。跪いて手の甲に口づけとか、もう最高じゃないですか!(何の話をしてるんだ)
だからスパダリなたまきちも嫌いじゃないです(笑)。

あとは恋に落ちる瞬間が見えるのがキュンとするんですよね。もうこの辺になってくると感覚的な話になって具体的な例を明示しにくくなってくるんですけど(笑)。あ、この瞬間に心が揺らいでいる、心臓の音が聞こえる、っていう芝居をするんです。特にちゃぴの時はまた、その心が揺らいで、空気の色が変わったのをちゃぴがちゃんと受け止めてくれる芝居をしてくれるから余計にときめくんです。ちゃぴじゃなかった時でも、雨唄があんなロマンチックなラブストーリーに仕上がったのは、ドンがキャシーの歌う「You are my lucky star」を聴いて、その歌の仕上がりはともかく心が揺らいだ瞬間を見たから。あのシーンを見て、あ、これはただの楽しいミュージカルコメディじゃなくって、ロマンチックなラブストーリーなんだ、宝塚なんだ、ってゆーのを認識しましたね~(ほんと、相手役もロマンチックだったらよかったのに)

ガタイがよくて、若い時から野郎臭が強くて、劇団が売り方を考えればもっと人気が出ただろうに、顔立ち・芸風も大人っぽくて研15~17あたりまでキャリアを続けてたらもっともっと渋いいい男になったのかもしれない。ただ、ないものねだりだし、決まったことだからどうしようもない。だけど、大人っぽい芸風から出てくる時折のガキンチョ臭とのなんとも言えぬアンバランスさも実は魅力だったのかもしれない。大人のモテ男を気取ったけれどもまだまだ未熟だった男爵のように。

アンバランスさと言えば、本人は頭にくそがつく真面目な優等生キャラで、ともすれば面白味ないタイプなのに(笑)、芸風はえらく傲慢だったなあ。自分でわかってんだかどうなんだかわからないけど(笑)。だからど真ん中の役をやり出してからの方が気になったんだと思う。ふつうは2番手のころの方が良かった、って言われがちだからね(笑)。黒い役をやるから。タニちゃんみたいなギンギラギンギラまぶしー、みたいなスター性・カリスマ性まではないけど、ど真ん中にいることに安定感があるんだと思う、ある意味。

退団の時期を会見で見て、さもありなんと思ったよ。本当に、よくぞあそこまで乗り切ったって大千秋楽で頭撫でたくなったもん、あの公演。いや、何様だって話だけど(笑)。本当にあの公演は相手役さん疫病神なんじゃねえの?っておもったからな。あの人絡むと大体休演発生するんだよ…

もう、語っても語っても止めどがないのでこの辺でやめますけど(愚痴多くなってきたし(笑))、劇団の猛プッシュで若くして大羽根を背負い、上級生の2番手を迎える歪なトライアングルでも職務を全うし、大切なその2番手が倒れた時も、3番手が倒れた時も、2番手にその座を渡すことが許されないまま見送らなくてはならなくなっても、なんでヒロインになったのかよくわからない、仲もあまりよくなさそうな相手役を迎えなければならなくなっても、健康で、ど真ん中に立ち続けた、そのことだけでも称えたいと思いますよ。後半戦は正直作品運にも見放されたような気がするけど(苦笑)、最後の最後にくーみんがまた来てくれたこと、相手役から解放されて芝居ができるタイミングを与えられたことが、僥倖だと思ってます。
バウも取れるかわからないけど、追っかけるつもりです。

とりあえず誰が辞めた時よりも思う、ただただひたすら、お疲れ様でした。